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[RACE REPORT]ゆりかもめ賞 ホクトスルタン閣下VSマイネルヘンリー王子


ホクトスルタン閣下
 ▲ ホクトスルタン閣下

マイネルヘンリー王子
 ▲ マイネルヘンリー王子

 こっちが勝手に愛称をつけたとは言え、パドックで見せる姿の微妙な違いが、閣下対王子のコントラストをより一層はっきりさせていました。
 スルタン閣下の柔和な雰囲気や品の良さはまさに良血馬のそれで、対する王子は良血馬でありながら品といよりも力強さを感じさせるのは、マイネル軍団の戦士たる「ゆえん」。
 使われ方もまた対称的で、1勝を挙げたあとさっさと休養に入った閣下に、デビューからバシバシ使い込んでなお上昇力を見せるタフな王子。

ホクトスルタン閣下
 ▲ ホクトスルタン閣下の、品があふれる雰囲気は良血馬の証

マイネルヘンリー王子
 ▲ マイネルヘンリー王子は力強く馬場入り

 レースはスルタン閣下が、ペリエの馬と激しくやり合う予想だにしない展開で幕を開けます。
 スルタン閣下の鞍上だったノリが馬の鼻面を外に出し、懸命になだめようとするも、前への推進力が半端ない閣下を抑えきれずにそのまま前へ。
 人気を背負っていたペリエも何故か譲らず、結局は2頭で暴走する形になってしまいます。
「前に馬がいると追いかけてしまう馬なんで、ハナに行ってフワッとさせたかったんだけど、今日は息の入るところがなくなってしまったね」
 レース後に加藤師はコメントを残しており、この日は閣下の自滅でした。

ホクトスルタン閣下
 ▲ ホクトスルタン閣下はこの後に暴走

 前2頭がやり合う形になり、一番後ろから追走していたヘンリー王子は願ったり叶ったりの展開に。
 前走の京成杯で前へ行ってもやれる自在性を見せてくれたとは言え、やはり味が出るのは後方からの競馬。それを鞍上の津村騎手も再認識したのか、それとも力の違いを確信していたのか、前との差がかなり開いても慌てず騒がず、前の動きを見ながらじっくりと待機。

マイネルヘンリー王子
 ▲ マイネルヘンリー王子は自信満々の後方待機策

 飛ばしに飛ばした閣下は4角を回る頃には勢いを失い、あっさりと後続に捕まります。
 沈んでいく閣下を尻目に王子は直線大外に出すと、そこから力強い足取りで一完歩ずつ確実に前へと接近していきます。
 残り200を過ぎてからの脚色の違いは歴然で、勝利を確信しながら迎えるゴールまでの時間はまさに至福の時。
 余力をたっぷり残しながら、ヘンリー王子はゴール版を駆け抜けていきました。

マイネルヘンリー王子
 ▲ 外からヘンリー王子が強襲

マイネルヘンリー王子
 ▲ 最後は余裕のウィナーズラン

 マックが死んだ後に夢を見ました。
 ダービー馬となったマックっ仔がジャパンカップを勝ち、そして世界に挑戦していく夢を。
 その馬の毛色も名前も分かりません。そして天皇賞を獲ったのかも不明です。でもそこにはとてつもなくワクワクする世界が広がっていました。
 天皇賞ももちろんいいですけど、やっぱりダービーはいいと思いますよ。ぼくらダービーに縁がないから敢えて興味ない振りしてますけど、やっぱり 『 ダービー馬 』 って響きは最高ですよ。きっと。
 ゴールデンエイジ(黄金世代)のトップに躍り出たヘンリー王子に、スルタン閣下、地方で虎視眈々とタイトルを狙うサドラーズアレグロ、そして何だかんだ言ってダービー制覇だって悲願なはずのメジロが送るメジロアルタイス。
 他にも素質馬、楽しみな馬がごろごろしている現状に、「ひょっとしてダービー獲れちゃうんじゃないの」とぼくの心が躍ります。っていうか踊らなきゃ損でしょ。
 さぁみんなも騙されてもいいから、踊っちゃいましょう。
 余計な理屈とかポイ捨てゴミですね(投げ捨てはいけません。ゴミ箱にです)。んな「かったるい」重荷背負うぐらいなら、全部ホッポリ投げてレッツダンスです(笑)。
 ぼくにだってこの先のことなんて分かりませんし、とやかく言って余計な不安を煽ったりしてもしょうがないので、ありったけの気持ちを最後に叫びます。
「ダービーちょぉぉぉぉ欲しいぃぃぃぃ」
「マックっ仔がダービー勝った! どうだ見たかっ!!! って言いてぇぇぇ!!!! 全国に世界中にアピールしてぇぇぇ!!!!」

マイネルヘンリー王子
 ▲ ウィナーズサークルは最高です

[2007 01/28]

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