メジロマックイーン物語『栄光と挫折は紙一重』
メジロマックイーン物語『栄光と挫折は紙一重』
序章
「栄光と挫折は紙一重ですから……」
名優の3年半に及ぶ長い舞台は、天才の一言で幕を降ろした。
人は挫折や失意を味わう度に「こんなはずじゃ……」「あの時こうしていたら……」「あそこが間違えた……」と口々に後悔し、そして挫折した自分を責める。
だがこのことだけは忘れないでほしい。
挫折はチャレンジした者にしか与えられない立派な勲章だということを。
失意は夢から零れ落ちた希望の欠片だということを。
だからこそ失敗した自分を責めるべきではない。むしろ挑戦者たる自分を、心の底から誇るべきだろう。
暗くくすんで見える挫折と失意の時が、いつどんな瞬間に光り輝くかは誰にも分からないのだから。