メジロマックイーン関連ニュース
最高の幸せを得るまでの過程、苦労こそが輝きの源
12月23日付でヤマニンメルベイユが登録を抹消。今後は故郷の錦岡牧場で繁殖入りすることが発表されました。
通算成績は34戦7勝。
非凡な才能と、美しい金色の身体から当サイトでは『姫』という称号を付けていましたが、実際のメルベイユは可憐なお嬢様ではなく、逆境をしっかりと乗り越えていく強き女性でした。
デビューはライバルたちが華やかにクラシックを闘っていた5月の頃。2戦目の未勝利であっさりと勝ち上がり、わずか3戦のキャリアながらローズS(GII) で4着に食い込む能力を見せながらも秋華賞(GI) 出走は叶わず。4歳持は4勝をきっちりと積み上げ、ようやくGI の舞台、エリザベス女王杯に名を連ねるも、まさかの出走取り消し。翌年も重賞で3度の3着入線を果たしながらも、重賞制覇、そして悲願のGI 出走までは手が届かず。
悔しい思いを重ねた彼女を救ってくれたのは、メルベイユに初勝利をプレゼントしてくれた柴山雄一騎手でした。
6歳になり柴山騎手を鞍上に迎えたメルベイユは、これまでのようなカリカリしたところを見せることがなくなり、3月に中山牝馬S(GIII) を制して待望の重賞初勝利を果たすと、5月にはヴィクトリアマイルで悲願のGI 出走を果たし、またレースでもエイジアンウインズ、ウオッカらに次ぐ4着と健闘。夏にはクイーンS(GIII) を優勝し、まさにこのときはメルベイユにとってハイライトのシーズンでした。
7歳を迎えた今季は、昨年のエリザベス女王杯回避に繋がった左前脚骨折の影響からか全体的に精彩を欠き続けましたが、それでも春の福島牝馬S(GIII) ではグチャグチャの不良馬場に怯むことなく3着に入り、『姫』のニックネームに違和感を覚えるほどの泥臭いがんばりで僕たちに感動を与え続けてくれました。
彼女は今日23日に、美浦トレーニングセンターから故郷に向けて出発したとのこと。
メルベイユが制した中山牝馬S は彼女にとって待望の重賞制覇でしたが、それはマックにとっても7年もの間待ち望んでいたビッグタイトルでした。そしてその後、堰を切ったようにマックっ仔たちが重賞制覇を重ねたのはご存知のとおり。
反撃の旗を掲げ、われわれの先陣を切って走り続け、がんばり続けた偉大な『姫』に感謝。
ゆっくりと、そしてどうか末永く、牧場で時を過ごして。そして何故か縁のなかったエリザベス女王杯出走の夢は、子孫に。
ありがとう、おつかれさま。
▲ 感謝の気持ちでいっぱいです。ほんとうにありがとう