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どうか安らかに。大きな夢を背負ってくれた僕達の英雄ホクトスルタン


ありがとう

 昨日の障害戦で故障を発症し、左第1指関節脱臼と診断されていたホクトスルタン閣下ですが、願いむなしく予後不良であることがJRA より発表されました。
 スルタン閣下は、2006年9月の中山競馬でデビュー。3戦目で未勝利を脱出すると、春のクラシック路線には間に合いませんでしたが、夏の札幌で3勝目をあげ、神戸新聞杯(GII)で4着。マックっ子としてはじめて菊花賞(GI)出走を果たしました。
 翌年、復帰戦となった自己条件を楽勝した後、親子四代天皇賞制覇にも果敢に挑み、そして目黒記念(GII)で重賞初制覇を達成。
 その後は放牧先でのトラブルもあり、極度の不振に悩まされましたが、陣営は復活への道筋を懸命に探し続け、今年の春からは障害へと活路を見出していました。
 通算成績は34戦5勝(うち障害4戦0勝)。

 彼はマックが現役を退いて以来、僕達マックファンがずっとずっとずっと待ち続けてきた希望の星でした。
 多くの競馬ファンから「マックの子は走らない。マックはダメ。天皇賞親子四代制覇なんて無理」等々、散々言われながら耐え、悔しい思いを沢山してきた僕達にとって、彼は本当の英雄でした。
 彼が僕達の思いを背負い、三度、淀でGI へ挑んでくれた時間は、長年待ち焦がれた僕達にとって、本当に最高の瞬間で、「ありがとう」を何度言っても足りないぐらい。あの熱きレースは一生の思い出。
 それだけに、その淀で、こんな形で、彼の生涯が終わってしまったことは、残念とか、悲しいとかいう言葉より、「神様どうして……」と。
 障害転向のことや、現役をここまで続けたことに対する様々な意見はあると思いますが、僕はスルタンをなんとか復活させようとしてくれた陣営のことを心から信じていますし、ゆえに彼らを責めることはできません。
 ここまで多くの夢を見させてくれたスルタンに。たくさんの思い出を作ってくれたスルタンに、陣営に、ただただ感謝しています。
 そしてただただ、ただただ、無念です……。

 スルタンには本当にありがとうの言葉しかありません。そしてこんな重荷を沢山背負わせてしまったことには、ごめんなさいと。
 背負ったものの大きさを感じることがあったのなら、マックの子として生まれてきたことを誇りとして感じてくれたこともあったかもしれない。それが一瞬でも存在していたと、そう信じたいです。
 どうか安らかに。ありがとう。俺達のホクトスルタン閣下。

ホクトスルタン © mejiro-mcqueen.com

ホクトスルタン © mejiro-mcqueen.com

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[2012 10/08]

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